| 2009年1月31日 (土) |
現代狂言? |
会場:あうるすぽっと 14:00開演
ご挨拶:森一弥、平子悟(エネルギー)
「佐渡狐」 佐渡の百姓:野村万蔵、奏者:南原清隆、越後の百姓:野村扇丞
「東京パンダ」 東京の政治家:野々村真 関西の政治家:島崎俊郎 総理大臣:岩井ジョニ男(イワイガワ)
「サードライフ」 サルヒコ:南原清隆 信長:野村万蔵 義経:佐藤弘道 弁慶:ドロンズ石本 サラリーマン:森一弥(エネルギー) 在原業平:平子悟(エネルギー) 一休:井川修司(イワイガワ) 有栖川宮識仁:岩井ジョニ男(イワイガワ)
打楽器:和田啓、管楽器:稲葉明徳
昨年10月から全国公演をしていた「現代狂言?」も2月末で終わりです。1月からは、再演ではありますが、配役が少し変わり、ナンチャンが古典の「佐渡狐」に初挑戦。「東京パンダ」は、前回の嶋大輔さんと彦摩呂さんに代わって、野々村真さんと島崎俊郎さんの出演で、また前回とはちょっとちがった舞台が見られました。 それから、前回は、万蔵さんが休演の日たったので、扇丞さんが代わりに出演していましたが、今回は万蔵さんのラップを観ることができました。
ナンチャンが、最初の演目に出演のため、最初の挨拶はエネルギーの二人が登場。この二人は「萬狂言」の前にやる「ファミリー狂言」にも進行役として出演しているようなので、狂言にもかなり浸かっているかな?特に平子さんは狂言の舞台になると、摺足も声の出し方も、なかなか堂に入っていて上手いです。
「佐渡狐」 万蔵さん、扇丞さんと共演で奏者をやるナンチャン。なかなか様になってます。長袴の裾捌きも決まっていて、さすが努力家ナンチャンです。賄賂を文字通り袖の下で受け取った時の奏者のニヤリとした笑いや、越後のお百姓の質問に佐渡のお百姓が、奏者の教えたことを忘れてとんでもない返答をするたびに、ドタっと転げる奏者に大笑い。少々オーバーな動きも古典狂言でも許される範囲のもので、まあ、上出来じゃないでしょうか。今後もいろんな作品に挑戦するナンチャンが観てみたいですね。
「東京パンダ」 今回は野々村真さんの東京の政治家(日本恐妻党)に島崎俊郎さんの関西の政治家(日本アダモステ党)。 入院中の総理大臣を見舞いに行くのに同道することになった二人が東京にパンダが居る、居ないで、言いあいになり、でも、上野動物園のパンダは、今いないので、それは認めざるをえず、他には、ないものは無いという東京の政治家に関西の政治家は「くいだおれ太郎は居ないだろう」というと、「いや、居る」と言い張る東京の政治家。それなら賭けようと、それぞれの羽織を賭け物にしますが、その羽織の裏には野々村さんは奥さんの写真、島崎さんはアダモちゃんの絵で、これが笑える。道行の間も、アダモちゃんのアドリブに野々村さんが笑いをこらえて台詞に詰まったり(笑)。 ガウン姿で現れる入院中の総理大臣は、収賄疑惑で身を隠すために入院中という胡散臭さ。今回も岩井ジョニ男さんが独特のキャラでアドリブ連発。この人、いいキャラしてます。賄賂を貰って、東京の政治家に「くいだおれ太郎」のことを教えますが、動きを教えるのに上手すぎる。なんか「くいだおれ太郎」に良く似ている。 後は「佐渡狐」と同じ展開なのですが、東京の政治家が「くいだおれ太郎」が人形だということを知らないらしいということに気がついた関西の政治家が巻き返して、勝ったぞと羽織を持って逃げるのを追いかける東京の政治家。そこに紅白の縞々の服を着て太鼓を叩きながら「くいだおれ太郎」の姿で出てきたのが岩井ジョニ男さん。姿も動きもあまりに似ていて大笑いです。前回も観ているのにやっぱり可笑しい。
「サードライフ」 バーチャル世界の「サードライフ」に信長役で、今回は万蔵さんが出演。みやび組の義経、業平、有栖川宮に対しカブキ組が弁慶、一休、信長の三人。みやび組が優雅に舞を舞えば、カブキ組はラップで対抗。万蔵さんがノリノリのラップを見せてくれました。一発芸を披露したり、ラップで「肝臓、腎臓、僕、万蔵!」には笑った。 最後の方で、天照大神のように天岩戸に隠れた信長(実は大神様)。暗闇に取り残されて絶望した面々が、やがて力を合わせて歌い踊り、岩戸が開く。この間、観客も一緒になって雨音をやったり、観客参加の演出も楽しい。岩戸から出てきた万蔵さんはキンピカの衣で皆に担がれてご満悦。最後には、皆それぞれの現実世界に帰っていきます。 最後の劇(コントというには長い)は、後で考えさせられるところもあり、楽しめます。でも、万蔵さんが一番楽しんでいたんじゃないかな(笑)。 |
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| 2009年1月28日 (水) |
横浜能楽堂特別企画公演「武家の狂言 町衆の狂言」 |
会場:国立能楽堂 18:30開演
「文蔵」 主:山本則直、太郎冠者:山本則俊 後見:山本泰太郎
「宗論」 浄土僧:茂山千之丞、法華僧:山本東次郎、宿屋:善竹隆司 後見:茂山童司、山本泰太郎 大鼓:佃良太郎、小鼓:住駒充彦、笛:藤田貴寛
「鬮罪人」 太郎冠者:茂山千五郎 主:茂山七五三 町内の衆:茂山あきら、茂山正邦、茂山宗彦、茂山逸平、茂山童司、茂山茂 後見:丸石やすし、松本薫 大鼓:佃良太郎、小鼓:住駒充彦、太鼓:小寺真佐人、笛:藤田貴寛
トークセッション「狂言とは」 茂山千之丞、山本東次郎
「文蔵」 東次郎さんの「文蔵」を生で観てみたいと思いつつ、あいにくまだ機会がありません。今回は則直さんの「文蔵」ですが、仕方語りが見せ場の演目は、やっぱり山本家の得意そうな演目。石橋山の合戦の語りがノってくると、立ったり座ったり、非常に迫力のある語りで型も綺麗。主人の気迫のこもった語りを飄々として聞き、気の抜けたように「それ、その文蔵を食べました」と遮る則俊さんの太郎冠者も、よい対象で笑えました。こんなに頑張って語ったのに、主人に手間をかけさせるとは何事、と怒る主人の気持が解ります。
「宗論」 今回、一番観たかったのが、千之丞さんと東次郎さんの共演による「宗論」。期待に違わず見ごたえがあって、面白かった〜。 真面目で剛直な法華僧を山本家の東次郎さんが演じ、ヒョウキンでちょっと意地悪っぽさのある浄土僧を茂山家の千之丞さんが演じることで、ますます違いが際立って、実に面白い。東次郎さんの法華僧がむきになって嫌がるのを、よけい面白がって構う千之丞さんの浄土僧。それぞれの芸風のままで対峙する舞台は目が離せません。最後の舞い謡いは、やはりそれぞれの家の違いで微妙に間に違いがあり、ぴったりとは合わないのが難しいところでもあり、面白いところでもありました。
「鬮罪人」 千五郎家総動員という感じの「鬮罪人」。怖い主人というと千五郎さんのイメージなんですが、今回は太郎冠者を千五郎さんが演じ、主人を七五三さんが演じるという、いつもと反対のような配役。でも、これがちょうどいい、いつもと違う千五郎さんの太郎冠者のお調子者っぷりや七五三さんの怖〜い主人っぷりが、合っていて、太郎冠者も大げさな動きがなくても面白いし、「鬮罪人」は、いろんな家で観ると、また何回観ても面白いです。
最後に、またお楽しみの千之丞さんと東次郎さんのトークセッション。司会者の質問に答えるという形で進められました。
まず、お題のとおり「狂言とは」ということで、千之丞さんは、狂言は現代劇であり、永遠のエンターテイメントコメディと言い、東次郎さんは、今も昔も同じ、人間の変わらない愚かしさを描いていると言います。狂言は普遍的な人間性のようなものを描いていると考えると、どちらの言うことも変わらないような気がしました。 また、それぞれの違いについて、千之丞さんが「文蔵」を観て、型はほとんど変わらないとおっしゃっていました。大曲や謡い舞い語りなどが中心の曲では、同じ大蔵流なので、ほとんど型に変わりはないそうです。東次郎さんは、狂言は、スキのない劇で、登山口が違っても高みに行くと同じ、今回一緒にやってみて、全然違う「間」でくるのが楽しい、その場で作っていく楽しさがあるとおっしゃっていました。千之丞さんは、やりにくいことは少しも無かったとのこと、「附子」や「棒縛」などの曲だと、かなり違ってきているので、やりにくいのではないかと、狂言そのものが幅が広く、演劇的手法が発揮できるので、いろんな可能性があるとおっしゃっていました。また、今回の役が逆になるとどんなになるか、やってみたいとも、それは興味深いので、逆の役でも是非観てみたいものです。 東次郎さんは、山本家では浄土僧をやることも多く、千之丞さんは千作さんとの共演では法華僧をやることが多いとのことです。千作さんとのことでは、学校回りなどで、ずっと同じ演目を何日もやっていると、飽きてくるので、その日によって配役を反対にしたり、出る前にじゃんけんで決めたりすることもあったとか、また、千作さんは自由にやっているので、居るべきところに居なかったりして驚くこともあるとか、なんか、千作さんらしくて楽しいですね。 最後に、新作についての話では、東次郎さんは、最近復曲をやっていて、それが楽しいとのこと。千之丞さんは、座ったままで狂言をやる素狂言で「宗論」をやるとのこと。また、3役を一人でやる落語みたいな座狂言をやってみたいとの話でした。
このトークセッションの間、東次郎さんの恥ずかしそうな、はにかんだ笑顔がなんとも可愛くて、途中でジリジリ後ろに下がったりするのもホントに可愛い。なんか今まで見たことのないラブリーな東次郎さんがますます好きになりました。
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| 2009年1月25日 (日) |
松木千冬十七回忌追善 第22回「檀の会」 |
会場:観世能楽堂 13:00開演
仕舞 「小袖曽我」 武田文志、武田友志 「隅田川」 小川博久 「藤戸」 小川明宏 地謡:武田祥照、小早川修、武田尚浩、木原康之
『江口』 シテ(里女・江口ノ君):松木千俊 ツレ(遊女):武田宗典、佐川勝貴 ワキ(旅僧):宝生欣哉 アイ(里人):石田幸雄 大鼓:亀井忠雄、小鼓:森澤勇司、笛:一噌仙幸 後見:武田友志、浅見真州 地謡:武田文志、北浪貴裕、大松洋一、下平克宏 小川博久、武田宗和、武田志房、関根祥人
「井杭」 算置:野村万作、何某:野村萬斎、井杭:野村裕基
舞囃子 「砧」 観世清和 大鼓:亀井忠雄、小鼓:大倉源次郎、笛:一噌仙幸 地謡:武田文志、武田友志、山階彌右衛門、武田宗和、岡久広 「天鼓」盤渉 武田志房 大鼓:亀井広忠、小鼓:森澤勇司、太鼓:観世元伯、笛:一噌隆之 地謡:北浪貴裕、大松洋一、下平克宏、浅見真州、関根祥人
『熊坂』 シテ(僧・熊坂長範):松木崇俊 ワキ(旅僧):村瀬純 アイ(里人):高野和憲 大鼓:亀井広忠、小鼓:大倉源次郎、太鼓:観世元伯、笛:一噌隆之 後見:武田尚浩、観世清和 地謡:武田祥照、佐川勝貴、武田宗典、木原康之 小早川修、山階彌右衛門、岡久広、小川明宏
追加
仕舞「小袖曽我」 武田文志さん、友志さんの双舞。よく見ていると初めはお互いが鏡のように足も手も反対で、初めに出す足も反対。それが目付柱側へ前へ出るところから同じ型になり、また別々の動きになるなど、面白い。
『江口』 摂津の国淀川と神崎川との分岐点である宿場町の江口の里に、天王寺詣の僧が立ち寄り、西行法師の歌「世の中を厭うまでこそ かたからめ 仮の宿を惜しむ君かな」を口ずさんでいると、里の女が現れて、出家である身を案じて泊めなかったと語り、自分は江口の君の幽霊だと名のり、夕闇に消えていく。里人が現れ、江口の君は普賢菩薩の再誕だと語る。 僧が弔っていると江口の君の幽霊が、遊女を伴って現れ、皓々たる月下のもと、絢爛たる船遊びの光景を見せる。仏教の無常観を舞い謡い、やがて船は白象となり、江口の君は普賢となって、光明につつまれながら西の空へ去っていく。
古くは、遊女は、まれびと(神)に奉仕する芸能者であり、巫女であったといい、明治の神仏分離以前は神と仏は同一体と考えられ、神につながれば仏にも通じるということで、江口の君が普賢菩薩の再誕となるようです。 後シテは白地の舞衣に紫の大口で気品があり、シテの松木千俊さんも立ち姿が美しく、謡い舞いも優美で、趣がありました。
「井杭」 背が伸びて、すっかり少年らしくなった裕基くん。余裕すら感じる演技で、いたずら井杭の可愛らしさもあり、親子三代そろった舞台はほのぼのとした雰囲気で、会場も和やかな笑いに包まれました。
舞囃子 観世宗家の「砧」の舞は、やはり端正で美しい。お囃子も流石のメンバーで申し分なし。
『熊坂』 都から東国へ下る僧が途中で美濃の国赤坂の宿に立ち寄ると、一人の僧が呼び止め、さる者の命日なので回向をしてほしいと頼み、自分の庵室に案内する。 そこには仏像がなく、武具ばかりで不審がると、横行する盗賊に備えての事で、仏も武器によって悪魔を降伏することを語り、やがて更けゆく夜の寝室に去る。 里人が熊坂長範の事を語り、僧が弔っていると長範の幽霊が長刀をかずいて現れる。黄金商人三条吉次を襲った有様を語り、そこで相手だった牛若丸との戦いを再現し、夜明けとともに消えていく。
シテは千俊さんの御子息でまだ10代の高校生だそうです。前場は直面で若々しさを感じます。後場の動きも激しく、若手の登竜門的な曲だそうですが、よく頑張っていて勢いがあり、なかなか良かったです。これからが楽しみ。 |
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| 2009年1月23日 (金) |
新春名作狂言の会 |
会場:新宿文化センター大ホール 19:00開演
解説:茂山千三郎、野村萬斎
「佐渡狐」 佐渡のお百姓:茂山千五郎 奏者:茂山千作 越後のお百姓:茂山千三郎 後見:島田洋海
「釣針」 太郎冠者:野村萬斎 主:野村万作 妻:月崎晴夫 腰元:高野和憲、竹山悠樹、中村修一、岡聡史 乙:石田幸雄 後見:深田博治
舞台の後ろに大きな注連縄が下がっていて、なんでかな?と思ったら、まだ正月、新春ですもんね。いつものように、黒紋付きに袴姿の千三郎さんが先に舞台に登場して「あけましておめでとうございます。」と挨拶されたので、気が付きました。今まで、いつも下がってたかなあ? 千三郎さんが、まず最初の演目の解説をして、萬斎さんが出てきて二人で舞って、千三郎さんが引っこんでから萬斎さんが後の演目の解説をするというのが、いつものパターンということで、まず「佐渡狐」の解説から始まりました。 「佐渡狐」は「福の神」や「末広かり」と同じ脇狂言の部類で、おめでたい話なのだそうです。それは意外。まあ、世の中が平和で、つつがなく年貢が納められるのがめでたい。というのは、そうなのですが、千三郎さんがその後曰く「佐渡狐」は賄賂、「釣針」はナンパの話って、何がめでたいんだか(笑)。 千三郎さんが、舞台上に正座してたので、萬斎さんも登場してからそのまま流れで正座しますが、萬斎さんの「ホールでは立って解説するイメージが・・・」ということから、能舞台では自然と座りたくなるのは、舞台と客席の高さの違いからか?と、目線の話に。上を向くと笑いやすいとか、見下げるのは悲劇好き? 流儀の違いの話になると、千三郎さんが、上演頻度の高い曲ほど流儀の違いが出ると言い、特に茂山家では、昔やっていたのと、いつの間にか変わっていることがあるそうで、昔は「附子」で太郎冠者と次郎冠者が向き合って扇を仰いでいたとか、「棒縛」では、和泉流と太郎冠者と次郎冠者の役が反対で、棒に縛られるのは次郎冠者。昔は太郎冠者が先に逃げる時に橋掛りで一旦止まって振り返る型があったのに、いつの間にか無くなった。なんて話をしていました。他にも気がつくといつの間にか変わっていることが多いとか。茂山家では、「棒縛」をギオンコーナーで6〜8分でやってるそうです(ちょっと見てみたい)。 二人での小舞の共演は「宇治の晒(うじのさらし)」、「ちりちりや、ちーりちり」と、これは「千鳥」に出てくる歌の舞だったんですね。流儀の違いで、全然舞の型が違います。途中で、謡の伸ばし方、謡い方の違いで、ずいぶんずれてると思いきや、最後にピッタリ合ったりして面白い。 千三郎さんが、「佐渡狐」の準備で引っ込んだ後、萬斎さんが「釣針」の解説。この話に出てくる「えびす」さんは「蛭子(ひるこ)」とも呼ばれていて、イザナギ、イザナミ命の3番目の子供でもあるので、「釣針」では「蛭子三郎」と呼んでいるとのこと(そうだったんだ)。 万作さんが「釣針」の主人をやるのは珍しいそうで、「77歳で申し妻ですよ」なんて言ってました。 最後に、萬斎さんの先導で客席全員「釣ろ〜よ、釣〜ろ〜よ」の大合唱で解説終了。
「佐渡狐」 これはもう、千作さんの奏者がなんとも可愛い(^^)。 賄賂を文字通り「袖の下」で受け取る時の、そっぽを向いて素知らぬ振りでなんとも言えないとぼけた表情、佐渡のお百姓を問い詰める越後のお百姓の後ろから身振り手振りで必至に教えようとする奏者、越後のお百姓が振り向くとピタっと止まって前を向き、何食わぬ顔、その仕草の可愛いこと、可愛いこと、もう反則ものです。千五郎さん、千三郎さんと3人のテンポの良さと間がピッタリ合って、これはもう最高の面白さです!!千五郎さんの佐渡のお百姓の答えに、確かにそのとおりだと言いながらも、附に落ちなさそうな千三郎さんの言い方も笑いを誘っていました。
「釣針」 こちらは、77歳の申し妻(笑)。霊夢によって妻を釣ろうとするのに、妻の歳が「14,5歳」からいきなり「70歳では」には、あまりにリアルで会場爆笑。しかし、先日の太一郎くんの主人では違和感無しの14,5歳や17,8歳が、万作主人だと、それってヤバくないですか、と思ってしまう(笑)。 萬斎太郎冠者の「釣〜ろ〜よ、釣〜ろうよ〜」のノリノリの謡い舞い。自分の妻を釣るだんになると、ますます気合が入って見事なハイジャンプ!しかし、可愛いっすねえ。 石田さんの乙は、そんなに不気味じゃなかったです。ちょっと可愛げのあるおブスちゃん(笑)。これも石田さんの持ち味ですね。 |
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| 2009年1月15日 (木) |
第45回野村狂言座 |
会場:宝生能楽堂 18:45開演
「牛馬」 牛商人:野村萬斎、目代:野村万作、博労:深田博治 後見:岡聡史
小 舞 「貝尽し」 野村裕基 「住吉」 野村万作 地謡:月崎晴夫、石田幸雄、野村萬斎、深田博治
素囃子「男舞」 大鼓:柿原光博、小鼓:森澤勇司、笛:成田寛人
「節分」 鬼:高野和憲、女:竹山悠樹 後見:野村万作
狂 言『茸』 山伏:石田幸雄 何某:野村万之介 茸:月崎晴夫、中村修一、岡聡史、竹山悠樹、野村裕基、時田光洋、宇貫貴雄 鬼茸:野村萬斎 後見:高野和憲
「牛馬」 これは、初見でした。 所の目代が、牛馬の新しい市場を立てるに際し、一の杭に繋いだ者には市の司を仰せつけて免税にするという高札を打ちます。最初に到着した博労が、杭に馬を繋いで夜明けまで一寝入りしていると、遅れてやってきた牛商人も、牛を杭に繋ぎ、一番乗りを装ってまどろみます。やがて、目を覚ました博労と牛商人は互いに一番乗りを主張して言い争いになり、目代が仲裁にやってきます。二人は、それぞれの牛や馬の素晴らしさや由緒正しさを語りますが、決着がつかず、それなら競争で決着をつけようということになります。当然牛は馬には勝てませんが、牛商人も懸命に博労を追って行きます。
前半は、先日の「茶壷」などにも観られる、よくあるパターンですが、小道具は竹竿に白い毛の束を下げて馬に見立て、黒い毛で牛に見立てるというだけ、あとは手綱をとる仕草と掛け声で馬と牛を表現してしまうのが狂言の凄いところ。しかし、仲裁に入った目代も一番乗りがどっちか分からないとはいえ、牛と馬とどっちが優れているかなんて語らせたって決着がつくわけないのに、それで、最後は競争で決めようなんてのは、馬が勝つに決まってる。それに乗っちゃう牛商人もかなりおバカですね〜(笑)。「チョー、チョー、チョー」と牛にまたがって走らせるものの、ちょっと進んではカクンと止まり、掛け声かけるとまた少し動いては止まり。まさに“牛歩”!もう、この萬斎牛商人のカックン、カックンとした動きが笑える笑える。で、最後は爆笑でした。
「小舞」は、お祖父ちゃんと孫の競演。それにしても、裕基くんの撫で肩と首の長さがお父さんにそっくりで、恐るべし親子のDNA(笑)。裕くんも、ホントに成長著しい「貝尽し」の舞の扇の使い方、足の運びも綺麗でしたね。しかし、地謡で見つめるお父さんの顔が厳しい(怖いよ〜)。 万作さんの「住吉」、ゆったりとした舞いとスムーズな動きの美しいこと。さすが万作さんです。
素囃子「男舞」 やっぱりこれは、柿原光博さんの大鼓がすごく響いてました。
「節分」 高野さんの鬼役は初めて観ました。鬼役でも恐さよりも可愛さを感じてしまうのは高野さんだからか(^^)。面を掛けていても良く通る声でしたが、後半はかなり息が上がっているようでした。やっぱり過酷な演目なんですねえ。萬斎さんがやった時には、息が上がってると感じることはないんですが、彼は細いわりに体力があるのか。 高野さんも「節分」の鬼役をやったということは、次は「釣狐」に挑戦ということですかね(楽しみ)。
「茸」 石田山伏と万之介何某のコンビが最高。石田山伏は、おおらかでお茶目、どことなく人の良さが滲み出ていて憎めない感じがします。祈れば祈るほど増える茸に汗だくになっている姿が、なんかお気の毒。万之介さんのヘタレ何某のとぼけた雰囲気も万之介さんならではで、どんどん増える茸にアタフタする二人の姿に大笑いです。面と傘を被った茸たちもあれは誰かなと思いながら観るのも楽しみ。たいていは誰だかすぐ分かっちゃうんですけどね。姫茸の裕くんはホントの女の子みたいで可愛かった(^^)。最後に出てきた萬斎鬼茸は、ゆっくり傘を閉じたり開いたりしながら近づいてくる様子がいつ見ても不気味です。こんなのが出てきたらいやですよね。鬼茸を見た石田山伏の「うわあ、あれ〜!」という驚きようが可笑しかった(爆)。 |
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| 2009年1月11日 (日) |
萬狂言 冬公演 |
会場:国立能楽堂 14:30開演
「松囃子」 万歳太郎:野村万蔵、弟:小笠原匡、兄:野村万禄、羯鼓打:吉住講 笛:藤田貴寛
小舞 「花の袖」 野村眞之介 「雪山」 野村拳之介 「鵜の舞」 野村虎之介 「景清」後 野村太一郎 地謡:野村万禄、野村万蔵、小笠原匡
「見物左衛門」 野村萬
「釣針」 太郎冠者:野村扇丞、主:野村太一郎、申し妻:吉住講 女たち:山下浩一郎、吉良博靖、泉愼也、高部恭史 乙:小笠原匡
「松囃子」 兄弟のところへ、毎年、年頭の祝儀に松囃子を舞いに来る万歳太郎が今年はまだ来ないので、弟が兄のところへ様子を聞きに行きますが、兄のところへも、まだ来ていないとのこと。いっぽう太郎は、兄弟がいつも年末に下さる米がまだ来ないのを気にかけながら、松囃子の芸の相手役とともに兄宅へやってきます。太郎は促されて松囃子を始めますが、気に乗らない演技で簡単に済ませてしまいます。いぶかしがる兄に太郎はヒントを出し、兄弟がようやく気付いて、後で届けようと約束したので、太郎と供は松囃子を舞い直します。まず、祝言を唱え、ついで供が羯鼓を着けて舞い、最後に太郎が松づくしの言葉で恋のなりゆきを表す舞を舞います。
正月らしい祝儀物の狂言。中世の風俗行事を題材としたものですが、前半は、太郎がなんとか毎年のお米を思い出してもらおうとする段。気のない松囃子で、すぐにやめちゃうところが面白い。後半ではおめでたく舞い収め、松づくしのだじゃれともいえる謡いを謡うのが面白いところでした。 以前、狂言共同社で観たことがある演目ですが、その時は井上菊次郎さん(当時、祐一さん)が太郎役でした。おっとりほんわかした太郎だった印象があります。 今回の演出では、太郎が羯鼓を着けた供を連れてくるもので、後半が華やかでしたね。
小舞 萬さんの4人の孫がそれぞれ小舞を舞いました。最初に万蔵さんの3人のお子さんが舞いを舞いましたが、地謡に座った万蔵さんが一番下(5歳)の眞之介くんが舞う前に何かこそこそ話しかけていました。眞之介くんが舞い終わって座ると、ちょっと座る位置が前だったのか、座ったままの眞之介くんの袴を引っ張って体ごと後ろへ持ってったのが、ちょっと微笑ましくて可笑しかった(^^)。眞之介ご本人は、全然気にも留めてない風で無邪気。舞台を大きく回る時に、体が小さいから、ほとんど早足で走るようになってましたが、堂々と舞ってました。 拳之介くんは9歳、裕くんと同じくらいかな?さすがにお兄さんで、舞もしっかりしてきています。虎之介くんになると、もう心配いらない感じです。 全員が一度舞台を引っこんでから、太一郎くんと地謡の面々が登場。太一郎くんは、もう18歳ですが、いい男になりましたね。「景清」の錏引きの勇壮な舞で、謡いも力強く、舞も迫力がありました。
「見物左衛門」 この演目では「深草祭」は万作家で2,3回観てるのに、もう一つの「花見」は、どうも縁が無いみたいで、まだ観たことがありません。今回も「深草祭」でした。萬さんの見物左衛門は、後ろから来て割り込んで一番前に行っちゃう図々しいおじさん。こういう人いるよね、という感じがリアルでした(笑)。
「釣針」 何度見ても「釣針」は面白いです。 今回は、メンバーが若いので、この主なら妻が14,5歳でもおかしくないなと、妙にリアル(笑)。扇丞さんが主人の奥様や腰元を釣ってくる様はやっぱり可笑しくて、大笑いです。それに自分の妻を釣る時には、一段と気合が入ってました(笑)。 それにしても、乙の面は色が黒くて不細工。その上、小笠原さんの乙は、声も一段と不気味で、こんな女に付きまとわれたら、そりゃあ逃げるわな、と思ってしまいました。ホラーです(笑)。 |
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